彼が幸せであるように
 
 
「幼馴染だよ」
 

おさなな、じみ?
 
「幼馴染!?」
 
「そう。俺が引っ越すまで隣に住んでた」
 
それを聞いて、もやもやしていたのが
一気に吹き飛んだ。
 
心が、羽のように軽い。
 
「……よかったあ…」
 
「なんで?」
 
「芽衣がね、結城くんと別れろっていうから、何かあるのかなって思って」
 
「へえ、そんなこといわれたんだ」
 
それは困ったなあ、と笑う結城くんを見て、安心した。
……何もない。
大丈夫、心配することは、ない。

 
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