彼が幸せであるように
 
 
 
「結城くん、その顔やめて」
 
そう言うと、
結城くんは驚き目を見開いて
数秒私を凝視した後、
フッとその仮面を外した。
  

「ばれたか」
 
「うん、なんか変だった」
 
「ははっ、さすが」
  

さっきとは打って変わった、心からの笑顔。
 
 
…その笑顔を見て、何故か、懐かしいと思う。
 
 
「変わらないね、中島さん。
出会った頃もそうだったよ」
 
であった、ころ?
 
結城くんは、ぽつりと話し始めた――。
 
 
 
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