【BL】生まれ変わって会いましょう。
「………さっき、何の夢を見ていたんだ?」
「………あー、それが思い出せなくて。いい夢だった気はするんだけど。……どうして?」
「………別に。あまりにもアホ面だったから。」
アホ面って………そりゃ要樹の顔の作りに比べたら、アホ面かもしれないけどさ!
「アホ面は生まれつき!好きでこの顔に生まれたわけじゃーー」
「着いたぞ。」
要樹は食堂の前で足を止めた。
「え?あ、ありがとう………ってどこ行くの?」
要樹は中へは入らず、来た道を戻ろうとする。
「……部屋戻る。」
「ご飯は?」
「いい。」
いいって……要樹、昼も食べてなかったよな。
「だ、だめだ!」
歩き始めようとする要樹の腕を掴む。
「ちゃんと食わなきゃ!成長しないぞ!」
「………お前より成長してるけど?」
要樹は目を細め、俺を見下ろす。
「た、確かにそうだけど……。」
「……くだらない。俺は戻る。」
「だ、ダメだって!」
「なんで?」
「うー……俺が要樹と食べたいの!一人飯なんて嫌だ!」
「……だからアイツらと行けば良かったんだ。」
やれやれと要樹は目元を覆った。
「俺は要樹がいいの!ほら、早く!」
腕を引いても要樹はなかなか動こうとはしてくれない。
「……止めておいた方がいい。」
「どうして?」
「……後悔する。」
言っている意味が分からず、首をかしげだ。
「後悔?するわけないじゃん!ほら、行くよ!」
半ば強引に腕を引きずり、食堂へと足を踏み入れる。