最強鬼龍~3兄弟のお姫様~
だけど、空李君は何食わぬ顔で全員を気絶させ、それでも相手を殴り続けた。


「喧嘩売っておいて寝ちゃったの? ねぇ、もっと遊ぼうよ」


クスクスと、空李君の笑い声が聞こえてくる。


「空李君……?」


ジッと敵の顔を見つめ、ニヤリと口角を上げて笑うその顔は、あたしの知っている可愛い空李君ではなかった。


野獣。


そんな言葉がぴったり当てはまる。


「空李君! もうやめなよ!」


そう言って近づこうとするあたしの肩を誰かが掴んだ。


え?


振り向くとそこには陸真さんが立っていた。


「陸真さん!」
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