最強鬼龍~3兄弟のお姫様~
「本当か? 今日、なんかあったろ」


その言葉に、あたしは視線を空中へ投げた。


どうしてそんなにすぐバレちゃうの?


涙のあとだってほとんどついていないハズなのに。


「別に、なにも……」


そう答えると、海堵はスッと目を細めた。


あたしの腕を掴み「へぇ?」と、小首を傾げる。


「な、なによ……」


「お前、嘘が下手なんだよ」


「へ?」


「視線、そらし過ぎだろ」


そう言ってクックと笑う。
< 238 / 488 >

この作品をシェア

pagetop