最強鬼龍~3兄弟のお姫様~
この状況なのにムッとしてしまうあたし。


「なぁんだ。この子に興味ないならどいてくれる?」


「そうそう。俺らこれからこの子泊まり先まで送ってあげるんだよね」


「あいにく、旅館まではバスが出ているから送る必要はない」


そう言って、海都はあたしの腕を掴み強引に自分の方へと引き寄せた。


あたしの体はスッポリを海都に包まれてしまう。


「なにすんだよ!」


男たちがそう言った次の瞬間、バキッと殴る音が聞こえてきた。


「うるせぇんだよお前ら。ちょっとは静かにしてろよ」


海都がそう言い、2発目の音が聞こえた後は辺りはシンッと静まり返り、波の音だけが聞こえてきていた。

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