最強鬼龍~3兄弟のお姫様~
真っ白で汚れ1つないシャワールームに入り、少し冷たいお湯を頭から浴びる。


目を閉じると海都の顔が浮かんできて、あたしの胸はギュっと締め付けられた。


やっぱり、あたし海都が好き。


この思いがすぐに消えることはないということは知っていた。


「……じゃぁ、いつ諦めがつくんだろう……」


よく、失恋には次の恋がいいって聞くけど、そんなの本当かな?


こんなに1人の人を好きだったのに、すぐに他の人を好きになるなんて、今のあたしには考えられなかった。


足元の排水溝へ流れていくシャワーの水をジッと見つめる。


このシャワーのお湯が海都への気持ち流してくれればいいのに……。


そう、思いながら。
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