最強鬼龍~3兄弟のお姫様~
☆☆☆

テストから解放された学生たちは、たいていみんな街で遊ぶ場所を探していた。


制服姿で入れるお店は限られているから、結局みんな似たような場所へ集まってしまうみたいだ。


あたしと万結もたどり着いた先は近くのデパートの中にあるゲームセンターだった。


ゲームセンターと言っても遊技場と呼ぶ方が正しいような、小さな遊び場所で、学生たちは少ないプリクラの機械に列を作っていた。


長い列を待ちながら、あたしはふと万結に話しかけた。


「ねぇ、万結」


「ん、なに?」


「もしも、叶わないような恋をしてしまったら、どうする?」


あたしの質問に万結は一瞬キョトンとした表情を浮かべて、それから笑顔を浮かべた。


「恋、してるんだ?」
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