最強鬼龍~3兄弟のお姫様~
見上げると、海都のあきれ顔が見えた。


「お前、なんで1人なんだよ」


「……え?」


「前もここで1人でいたろ」


そう言う海都の手には、見覚えのあるお守りが握りしめられていた。


「それ……どうして?」


「どうして、じゃねぇだろ。なんでお守りなんか捨てるんだよ」


あの時、橋の上からあたしが捨てた縁結びのお守り。


海都は呆れながらそれをあたしに差し出してきた。


手に取りと、お守りは少し濡れているのがわかった。


「……河に入って、取ってきてくれたの?」


「あぁ」
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