最強鬼龍~3兄弟のお姫様~
もはや七夕兄弟がどこにいるのかもわからない状態だ。


このままじゃ転校初日に窒息死寸前。


「お前らどけろ!!」


どこからともなくそんな声が聞こえてきて、女の子たちは一斉にその場から左右に別れた。


やっと呼吸ができたあたしはぜぇぜぇ言いながら膝をつく。


「あははっ、君、大丈夫?」


笑いながらあたしに手を差し伸べてきたのは……赤い髪をした男の子。


すごく綺麗な顔をしているけれど、この赤髪は明らかに校則違反だ。


「どうも……」


手を借りて立ち上がると、涼しい顔で七夕兄弟がやってきた。
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