【短編集】光ーmoonー
みぃ&りくSide

「り…く?」

先に沈黙を破ったのはみぃ
の震えた声。

「みぃなのか…?」

そう、中学生の時に観覧車
で喧嘩して別れたのはりく
だった。

「ごめん、本当に傷つけた
こと悪いと思ってる。小説
に出てくるあの公園の事も
みぃを忘れてなんかない。
ずっと、ずっとずっと謝り
たかった。

‘Truth’

今度は裏切らないから…
愛してる。」

真剣な目、あの日と変わら
ない声。

「昔の事はやっぱ今でも
許せないし忘れられない。
けど、それ以上にりくが
忘れられないの。

この本すごいね!
私も大好きだよ…」

涙をぬぐうりくと顔を見合わせ
笑った。

< 77 / 101 >

この作品をシェア

pagetop