ぽたり……【超短編】
「達也……。
私もう泣かないわ。」


「達也……。
私ね、あなたの事、好きよ。」


「達也……。
だから、ねっ?」


「達也……。
何とか言いなさいよ。」


「達也……。
何で黙ってるのよっ。」


「達也っ。」


ガツンッ


私は達也の頭部を持ち上げると
洗濯機に投げ入れた。


中を覗くと
達也と一瞬、目が合い


慌てて血の着いたシーツ
バスタオル、軍手、ぼろ切れを
放り込むと乱暴に蓋を閉じた。


ふと
手元の腕時計を見た。


午後8時45分。


私は洗濯機についている
スピーディーモードの
スイッチを押す。


9時までには終わらせなくちゃ。


私と達也の関係も
今夜9時で終わるーーー


笑いが込み上げて仕方ない
私の隣で洗濯機は
ガタゴトと
不自然な音を放ちながら
回り続けていた。











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