今日、君が結婚します
「もう、あっこ。そのくらいにしときな」



「もうちょっとだけ。だって飲まなきゃやってられないよ。せっかく思いが通じ合ってやっと、一緒にいられると思ったのに、結婚なんて」




「まさか、そんなどんでん返しが待ってるとはね。しかもその女は仕事を辞めるなんて。まるで亜希子と松原の関係を知っていて先手を打ったみたいよね。とは言え、妊娠なんて本当なのかしらね?女は男を逃がさないためにそんな嘘を吐けるから。松原がそんなヘマするとも思えないし」



「あっ、このだし巻き美味しい」



近くの居酒屋に初めて入ったけれどなかなか美味しい。


だし巻きもしっかりと味が染みてるし、サラダもササミとバリパリした麺のようなものが入ってて私の好み。


寛子の言葉を耳に入れつつも夢中で箸を進める。




きっと、寛子に何を言われてももう
『妊娠』と『結婚』は変えられない事実。
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