今日、君が結婚します
「どうぞ、座ってください」



大和くんと目が合ってダイニングテーブルに座るように促された。


大きく頷かれてきっとここでは『他人』のふりをするのが一番なんだろうと改めて思い、差し出されたハンガーにコートを掛けて椅子に腰を下ろした。



ふと左手の薬指に視線を落とす。


今は外されたエンゲージリング。さっき、大和くんが車を降りたときに私の指から外した。



「一度嵌めたものを外すのは縁起悪いかもしれないけれどまた改めて嵌めてくれるかな?」



なんで大和くんは私にエンゲージリングなんて渡したんだろう?



それに私は泉美に何を聞かされるんだろう。
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