今日、君が結婚します
「あたし、川島さんのことが好きだった。アッコと付き合う前からずっと。でも、あたしなんて相手にもされないって思って心で思ってるだけだった。でも、アッコと付き合うようになって遠かったはずの距離を近くに感じられたの。アッコの彼氏になってから、あたしは前以上に彼が欲しくなった」




「・・・そ、そうなんだ」



ずっと、泉美を裏切っていると思ってた。でも、泉美が先に私を裏切ってたんだ。


ずっとずっと前から。




「もうそう思うと止められなくてアッコのことよりもただ自分のために動いていた。でも、どんなモーションを掛けても川島さんはあたしに靡くことはなかった。

だから彼氏が・・・暴力を振るうって嘘の相談を持ちかけるようになって・・・彼氏に愛されたことがないからと酔った彼を誘惑して浮気を持ちかけた。


少しでもあたしを意識してほしくて彼氏とデートに見せかけ、二人の前に現れた。彼氏と会わせることで嘘に信憑性を持たせたくて仲のいいふりをして」



暴力を振るう人間って第三者の前ではすごくいい人に見えるでしょう?



最初こそはか細い声だった泉美が話を進めるうちに声を荒げていった。



まるで『あなたより私の方が彼を愛している』そう叫ぶかのように。
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