今日、君が結婚します
「あんまり、ジロジロ見ないでよ。なんたってあたし、裁縫得意じゃないからお母さんに教えてもらって必死で作ったの。あっこに少しでも元気を出してもらいたくて。はい、プレゼント」



寛子はずっとずっと自分が松原くんに告白を薦めたことを気にしてる。


どうして私がしたことはみんなを苦しめちゃうんだろう。松原くんに告白したことは私の意思。


むしろ、寛子には背中を押してもらったことを感謝してる。



振られてまともに話せなくなったことは私が悪いんだ。自分から距離を取った。



松原くんが責任を感じて優しくしてくれることに期待したくないから。


好きな気持ちを消せなくなるから。



寛子からもらったキーホルダーをプニプニと指でついてみる。


左腕に頭を乗せて少し休憩。寛子も松原くんも私のことで悩まないでほしい。
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