今日、君が結婚します
なに、それ。なんでそんなことするの?だって、だって彼女がいるんだよね?罪悪感だけでしょ?


こんなことになるならあのとき、庇ったりしなきゃ良かった。そうすれば、友だちとして普通に話すことだって出来ていたのかもしれない。



ノートと赤本をカバンにしまいこむ。



「あたしが鍵、閉めてちゃんと返しとくから」



寛子にお願いして、教室に走る。4階の一番端の教室。


階段を走りながら息を切らせながら、それでも決して止まることはしないでただ、教室に向かう。


なんで、そんなに私に怪我をさせたこと気にするの?


なんで、そんなことまでしてくれるの?



教室の前、少しだけ覗くと机にうつぶせたまま眠っている松原くんが見えた。


起こさないように静かに扉を開けるけれど古い扉はギーッと音を立てる。


起きないで、お願い・・・。
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