今日、君が結婚します
足音を立てないようにゆっくりと後ろから彼の席に近づく。



彼の真後ろに立って思わず両手で口元を覆った。両手、どうしてそんなにバンドエイドいっぱい貼ってるの?



ポケットに忍ばせたキーホルダーを手にする。これも松原くんが作ってくれたの?



「・・・ごめんな」



起きた?でも動かない。少しだけ顔を近づけてみると彼の頬を一筋の雫がスーッと通った。



私のほうがごめんなさい。告白して、困らせてごめん。庇って罪悪感を植え付けてごめん。話しかけないなんて言って・・・ごめんなさい。




キーホルダー、作ってくれてありがとう。
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