今日、君が結婚します
首に巻いていたマフラーを涙を浮かべながら外した。そしてそれを彼の首にそっと掛ける。



風邪引かないでね。



足音を立てないようにそっと教室を出た。ここで泣いて気付かれたら松原くんが気にしちゃう。


まだ、寛子はきっと図書室にいる。
私を待ってくれてる。


嗚咽を漏らしそうなのを両手で抑えながら階段をゆっくり下りて図書室まで向かった。



松原くん、やっぱり松原くんが好きだよ。



でも、罪悪感で縛り付けたいわけじゃない。寛子は罪悪感だけじゃないかもって言ってくれたけれど罪悪感は消えないでしょ?



だからキーホルダーを作ってくれたり、帰りを待ってくれているんだよね。



たとえ、それだけじゃないとしても。
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