今日、君が結婚します

肩を掴まれ向かい合わせにされる。



怒りが篭った彼の視線から目をそらしたくなる。




「亜希子が、好きなんだ。好きな人は今まで10年間、亜希子だけ。俺、確かに他の女の子には酷いことしてきたかもしれない。でも、それを悪いことだなんて思ってない。それより、俺は・・・あの10年前にしたことを今でもずっと、ずっと後悔してる」


「だから、それは・・・」



「後悔してる。あのとき、なんで好きだって言わなかったのかって」



「松原・・・くん？」



「あのとき、話しかけないでって言われても話しかければ良かった。回りくどいことしかできなくてガキだったなって。亜希子はちゃんと伝えてくれたのに俺は何も言えなかった。

罪悪感なんかじゃないよ。俺は亜希子のことちゃんと好きだった。だから、文化祭の前の日、俺を庇ってくれたことも嬉しかったし、これからは俺が亜希子を守りたいって思ってた。でも、全部がガキでできなかったんだ」