今日、君が結婚します

「ごめんなさい。松原くんの優しさを信じられなくて逃げたからそのせいで松原くんをずっと苦しめていたのは私だったんだね。何も言わなくてごめん。全部を罪悪感としか取れなくなってた」




「そうだよね。だって、俺は亜希子を振ったんだ。それなのに特別扱いみたいなことをしたら確実にそう思ってしまうよね。でもさ、俺は逆に振ってしまったからこそきっかけが欲しかった。

だからチャンスだと思った。でもさ、話しかけないって言われたことと彼氏ができたからってことは今までのどんなことよりも胸が痛くてたまらなかった」



「ごめん、ごめんね、松原くん」



松原くんは10年前、罪悪感なんかじゃなくてちゃんと私を思ってくれていたんだ。さっきとは違うこの腕の中がとても温かい。




泉美を裏切ってもこの人を失いたくない。でも・・・