彼が虚勢をはる理由
「それに、私に彼氏がいなくて、ハルに彼氏がいるからって、私ははそんな事でハルを敵対視しないし。だいたいお子ちゃまでも構わないっしょ。どうせ高校生なんてガキそのものなんだから!」
私が一気に捲し立てると、夏野君達は口をポカンと開けて、唖然としていた。
あぁ、良いざま。スッキリする。
どういう経緯でこんな事になってたかは知らないけど、私はこんなしょうもない事を気にしたりしないし、いちいち腹立てる事も無い。
勝手に言わしておくか、今回みたく一回突っ込むだけ。
「そんなしょうもない事で、いちいち騒がないでよ。どうでも良い」
私はそう吐き捨てて、自分のロッカーにジャージを入れた。
一息吐いて周りを見ると、さっきは居なかったハルはいつの間にかに来ていて、私や夏野君達はクラス中の注目を浴びてしまっていた。
うーわー恥ずかしっ! 何でまた、こんな事になってるの!? こないだも似たような事があったような……。
ニヤニヤ笑っているハルと目が合った。口パクで何か言ってるけど、内容までは分かんないし、取りあえず後回しで良い。
…そういえば、夏野君が遅刻もせずに、むしろ私より早く到着してるなんて珍しい。
私だって、今日は時間にゆとり持って来れたのに。
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