ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ
「その頃から、どうしたらヨウを楽にし てあげられるのかって、ずっと考えてた んだ。
高校進学と同時に、とうとうヨウと別れ ることになって……。
ずっと探してた。人の心を楽にする方法 を。
テレビ見たり、本読んだり、外で散歩し てみたり、そういう気分転換もあるなと 思ったけど、そんな身近な方法で楽にな れるのなら、ヨウはとっくに悩みから解 放されてると思った。
だから、他の方法を調べたら……」
アロマテラピー。それが、海君の就職先 や将来を決める大きな一歩となった。
海君の夢が走り出したキッカケは私。で も、私のことだけじゃなく、そこには きっと、伊織君の件も絡んでいる。
だって、こんなにあたたかい人だから。 こんな人に想われる幸福、他にはない。