恋愛学園





「何もしてないからね、俺は」



青に目を向ける前にそう言われる。
あぁ、疑ってたのバレたんだ。
青が何もしてないってことは……豹?
でも、此処にいないしな……。



「てか、佐藤くんは?」



「桃也?いない。おかしいよね、桃也が憂を野放しにするなんて……」



うん……だって、過保護なくらい憂を離さない佐藤くんがいないなんて……。
そして、さっきから"佐藤"と"桃也"という言葉に反応をする私に抱きついてる子。




「ねぇ……憂、佐藤くんと喧嘩でもした?」



「……っ……も、ももぢゃんがぁ……」




やっぱり……ビンゴだ。
青と目を合わせると、青は時計を指さしていた。
そろそろ……出ないと遅刻するってことか。




「憂、遅刻しちゃうから……学園に向かいながら話聞くから!行こ」



憂を少しの間離させて、いそいでカーディガンとブレザーを身に纏う。
着替えが終わるとすぐに憂が抱きついてきた。




青は憂が自分に苦手意識を抱いていることを知っているからか、私たちの少し先を歩いていた。





「……昨日、聞いちゃったの……」




「……昨日?」




鬼ごっこの日に喧嘩するような事を佐藤くんが言ったのかな?
このカップルが喧嘩するなんてな……。
鬼ごっこの日は途中から記憶ないしな……。



< 125 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop