恋愛学園


「芹那ちゃんが、気絶しちゃって杜川くんが部屋に届けた後……芹那ちゃんのお見舞い行こうとしたら、芹那ちゃんの寮に杜川くんと長谷川くんとももちゃんがいて話してるところを……」




私の寮でもあるけど……一応青の寮なんだけどね……。
ていうか、憂が聞いてこんなに泣くほどの話をしてたのかこいつらは。




前を歩きながらわたし達の話を聞いていた青は"聞いてたんだ"というような顔をしていた。




「何を聞いたの?」



憂の頭を優しく撫でながらでも、視線は青を睨みながら憂に優しくそう問いかけると憂は何故か俯きモジモジしていた。




「……む……」




む??




「む…………胸の話……」




聞こえるか聞こえないかぐらいの声で言う憂の顔はすごく真っ赤になっていた。
青には聞こえなかったらしくて青はきょとんとした顔をしていた。




「……最低。憂、行くよ」




「……え、芹那ちゃん?」




いきなり憂の腕を掴んで速度を上げて青を追い抜くと青は何も理解できていないという顔で私を呼ぶけど、私はそれを無視して歩き続ける。




青と豹はとにかく……佐藤くんもそんな話するなんて……。




「ねぇ、憂?これくぐるときって男女じゃなきゃいけないとかある?」



「……え?な、ないと思うよ……?」





キスをしないと入れないという何とも言えない学園の入り口をさしながら憂に聞くと頭を左右に振ってそう返事したのを聞いてそのまま先生たちの所まで行く。





「……キスはキスだよ、先生」




そう言って私が憂の柔らかくてすべすべな頬にキスをすると目の前の先生たちは驚いたように少し目を見開いてから手でどうぞってしてくれたから憂の手を引いてそのまま校舎内に入る。



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