恋愛学園



「芹那さん、我が学園の蘭舞学園ですよ」


えっ、どこが?
コンクリートの道、道の真ん中にある大きな噴水、レンガの塀、様々な小洒落た家らしき建物。



「学園はもう少し奥にありますよ。ここも学園の敷地内ですよ。学生寮とショッピング街ですね。学生寮は2人1組で普通は何部屋もあるとこに集団で住みますが、特別な生徒は一軒家の所に住みます、もちろんパートナーも」



2人1組って女子同士ってことだよね、それなら良かった……。
特別な生徒か……絶対、王子先輩のことだろうな。



「……へぇ。私のパートナーは?」



何が楽しいのかさっぱりわからないけど王子スマイルを浮かべた王子先輩は、口の端をさらに上げていた。



「貴女は、ホントに姫のような方のようだ。あなたのパートナーは学園でも有名なVIPですよ。もちろん、貴女は一軒家です。あいつが指名するとはね……」




ん?最後だけ王子先輩の口調おかしくなかった?まぁ、いっか。
学園でも有名なVIPって誰?なんか、怖いな……。



「あっ、八王子先輩!!」
「王子先輩ー!!」
「キャー!琉宇先輩ー!!」




四方八方から王子先輩の名前を呼ぶ甲高い声と奇声が聞こえてきて目を向けると大量の女子が私たちっていうか、先輩めがけて走って来ていた。




「……は、離して!」



「今、離したら芹那さんが危ないから無理ですね」



こんな事態に何か面白いことでも思いついたのか先輩のスマイルがニヤケに変わっていた。



「此処にいた方が危ないから!」


「……わかりました。では、しばらくあのピンクの一軒家の中にいてください」




いくつもある一軒家のうち斜め前にあるピンク色の家に行くように言われた瞬間、先輩はゆっくりと降ろしてくれてやっと、足が地面についた。



そして、先輩目掛けてくる女子が来る前にその家に入ることにした。




――がチャッ。




家の鍵は閉まっていなかったらしくて普通に入ることができて安心した。




「……はぁ……」



「……誰、あんた?」




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