恋愛学園


玄関に座り込む私の前に人影が現れて声が聞こえたから顔を上げて私は、悲鳴を上げそうになってしまった。



「…………っ!?」



「ねぇ、俺の質問無視?あんた、誰?不法侵入者さん。それとも変質者?」



目を丸くして固まる私を無視して喋る目の前の上半身裸男。
私からしたら、あんたのが変質者なんですけど。



「…………誰?」




「いや、それ俺のセリフなんだけど?あぁ、もしかして城崎さん?」




なんで、私の名前知ってんのこの男。
こんな上半身裸男知らないんだけど、私。




「誰って顔してんね。俺は、あんたと同室の杜川 青(モリカワ アオ)。よろしくね、城崎芹那ちゃん」



「……あぁ、同室の……えっ!?」



いや待って、この上半身裸男なんて言った?同室?
えっ、嘘でしょ!?




「ハハッ、固まりすぎでしょ。会長に聞かなかった?」




会長って……王子先輩のことだよね。
男なんて聞いてない!
あれ、でも……。




「……有名なVIPって、あんたのことなの?」




たしか、王子先輩が同室の奴は有名なVIPって……。
この目の前の上半身裸男が有名なVIP!?




「なにその、有名なVIPって……。それに、俺は"あんた"じゃない。杜川青。青でいいよ、芹那ちゃん」



「……あ、うん。じゃあ、青って呼ぶ」




ってか、流されてる場合じゃないし私。
なんなの、この学園!
男女が同室っておかしいでしょ!
あのクソ親やりやがった。だから、何も教えてくれなかったんだ……。




「……芹那ちゃん?」




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