恋愛学園










「周りに見せ付けないの?」





「静かなうちに終わらせて早くここから去りたい……」





小声で首を傾げて私の顔を覗く青。
いままでなら平気だったのに……なんかすごく青がいつもと違うように映る。
青から顔を逸らす。





「……ねぇ」




「な、なに?」







気に食わなかったのかすぐに青の不機嫌な声が聞こえてきた。






「こっち見て?」





「な、なんで?」





「……俺の事嫌い?」





嫌い?違う……嫌いじゃなくて。






「……ちがっ……!?」





逸らしていた顔をあげた瞬間、視界に映ったのは青の見開かれた目とその目に映る同じように目を見開いている私。






「「「ギャーーーーーー!!!」」」
「「「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」






静まっていたはずの会場に響き渡る悲鳴。
なんて、そんなものは今の私の耳には届いていなかった。






なに、これ?
何が起きてるの?
私の唇に当たってるものは……何?






「芹那さんと杜川くん、見せつけてくれますね?」





私と青が見せ付けて……。
私の唇に当たってるものは……青の唇だ。






理解した瞬間に顔から火が出そうなくらい赤くなって顔を離す。





「……あ、青……ご、ごめん!わ、わざとじゃ……」





「……」






青、怒ってる……。
そりゃ……そうだよね。好きでもない女に事故だろうとキスされたら怒るよね。
どうしよ……。






私の手を掴み不機嫌オーラをだしたままお弁当の中身を平らげていく青。
そして、青のファンからの鋭い視線が私を突き刺し、私を罵る言葉が聞こえてくる。





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