恋愛学園
「じゃあ、これくらい許せよ……青?」
「……と、桃也?」
「怖いんでしょ、暗いの」
私の肩に置かれた桃也の手が私を引き寄せる。
あったかい……。
怖かったのが嘘なんじゃないかと思うほどすぐに体の震えは止まっていた。
「憂、泣かないで我慢して。憂小さいからすぐ見失いそうだからそれ防止?」
そう言って小さな憂を軽々と抱き上げる青。
青の腕の中で涙目だけど泣くのを耐えてる憂。
その瞬間、肩にある桃也の手に力が入る……嫌なんだね、やっぱり。
早くお互いにパートナー変えられるといいな……。
「では、佐藤・城崎ペアからお願いします」
「だって、芹那平気?」
腹黒王子の声でそう言って私の顔をのぞき込んでくる桃也。
優しいな、怖い怖いなんて言ってられないよね。
周りは本当に灯りなんかなくて真っ暗で怖くないなんて言ったら嘘になるけど、桃也もいるし大丈夫だよね……。
「うん、へーき!行こ」
「大丈夫、守るから。青のお姫様に傷なんか付けさせないよ」
「……ありがと……?」
「じゃ、行こっかお姫様?青、お前のお姫様は俺が守るからお前は俺のお姫様に傷付けないでくれよ!」
「……え!?ぎゃあ!?」
青に大声でそう言うと私の視界が一回転する。
私は、荷物か?
私を俵かつぎする桃也。
「任せたよ、桃也。お前のお姫様も任せて」
桃也が歩きだそうとした時に聞こえてきた青の大きな声。
なに私達は今から戦場にでも行くの?
二人のやりとりを聞いてるとそんな風に感じてしまった。
「では、佐藤・城崎ペアご武運を」
ご武運……?
え、今からするのって……肝試しだよね?
「怖い肝試しになりそーだな。芹那、しっかり掴まってて?」
頭に血が上りそうで上半身を起こしてとりあえず桃也の首に腕を回す。