恋愛学園
「……芹那?」
「芹那ちゃん?」
青を思いっきり睨んでたら、後ろから私を呼ぶ声が聞こえてきた。
「……あっ、柊花と憂!!」
青を突き飛ばして二人の元に駆け寄る。
何故か、二人ともはもう制服に着替えていた。
早いな……。
「早く、着替えて」
「はい……」
じゃがりこを食べている柊花は可愛かった。
なんか、リスみたい……。
でも……やっぱり、柊花は猫だよね。
「……今日はね、もう授業ないんだよ!!早く寝ないと明日の授業頑張れないから」
「そうな…………えっ!?明日の授業って何?」
今日は、授業ないの嬉しいけど……明日の授業っていつもと違うの?
しかも、早く寝ないと頑張れないって何?
「校内で鬼ごっこするから」
「……え!?鬼ごっこ??」
校内で鬼ごっこって……皆いくつだよ。
ここって、高等教育する学校だよね?
高校生が校内で鬼ごっこって……。
でも、目の前でじゃがりこ食べてるこの人が嘘ついてるとは思えないしな……。
しかも、この学園なら有り得るかも。
「……憂、鬼ごっこするの?」
「うん!!するよ!!」
あぁ、憂の笑顔は可愛いけど……なんで鬼ごっこでそんな輝かしい笑顔が?
「憂の場合、桃也よ」
佐藤くん……?
鬼ごっこと佐藤くん?
なんで、それで憂はこんな輝かしい笑みを?
「あのね!!ももちゃんがね、すごくかっこいいんだよ!!私をね、助けてくれるの!!ももちゃんといて、鬼に捕まったことないもん!!」
「……そ、そっか……。良かったね、憂」
ホントに、憂は佐藤くんが好きなんだな……。
なんか、いいな……。