嘘つき、でも騙されてあげる
そして今日は解散になった。



私は司がいた事さえ忘れていた。



神谷さんと青山さんには呆れられた。



夢花先輩はやっぱ憧れの存在だとからかわれた。



司が「映画に出るつもり?」



うーんよく分からなくなって来た。



さっきまで監督にあそこまで言われ熱くなったが、



勝負なんて言われて冷めてしまった。



夢花映画には出ないでほしい。



司が元気なく言った。



司は何を心配しているの?


「俺は怖いんだ。卓斗が夢花を連れて行きそうで。」


「司私はどこにも行かないよ。」



私は震える司の手を握る。


「夢花は俺のものだから、卓斗には絶対渡さない。」


後ろに卓斗がいた。



「司夢花はものじゃないんだよ。


夢花は夢花自身のもの。


夢花自分で選べよ!」



私に何を選べと言うの?





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