嘘つき、でも騙されてあげる
「卓斗私が負けると思ってるの?


私水泳得意だし、私がこんな度素人に負ける訳ないじゃん。」



「まぁなんとでも言えるからさ。


明日精々頑張って。」



卓斗は笑いながら言う。


「夢花明日は絶対負けるなよ。」


司と並ぶ私の頭を軽く触った。



卓斗の優しさが伝わり私は嬉しくなった。



司が私の肩を強く抱く。



司の不安な気持ちが伝わって来る。



ごめん司に寂しい思いさせてしまった。



「司一緒に帰ろうね。」



司と並んで歩く私たちの横を卓斗は風を起こし通りぬける。



そう私の横を通った時フワッと風が起きたのだ。



卓斗の背中を見た時、なんだか切なくて涙が溢れそうなのを必死に堪えた。





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