嘘つき、でも騙されてあげる
そしてスタートラインに立った私たちは、



合図とともにプールに飛び込んだ。



泳ぐ事は好きだ。



今は何も考えずにただ泳ごう。



勝って映画に出たいとかではない。



この勝負は私自身の賭け。


大好きな水の中私は私自身の為にひたすら泳いだ。



今どのくらい泳いでいるのかさえ分からず、



私はひたすらゴールを目指して泳いだ。



誰かの声がした。



『夢花頑張れ後少しでゴールだ。』



それは卓斗の声だった。



私はそのままゴールを目指した。



ゴールに着いた時、



私が顔を上げるとそこにいたのはやはり卓斗だった。


卓斗に手を引かれプールから上がった。



監督がそばに来た。



「夢花おめでとう。君の勝ちだ。」




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