嘘つき、でも騙されてあげる
私は慌て卓斗に近付いた。


卓斗は笑っていた。



私が、「卓斗どうしたの? 」



私の言葉に答えたのは、卓斗でなくそのお姉さんだった。



「今彼をうちの事務所にスカウトしてたとこ?


彼卓斗って言うんだ。卓斗君の彼女?」



「はいそうです。」



「ねぇ彼女からも進めてよ。卓斗芸能界へ入ったら絶対売れると思う。


私が保証するから、一度考えてみてくれないかな?」


そして彼女は名刺を卓斗に渡した。



卓斗はその時、「俺芸能界なんて興味ないんで。」と断っていた。



だから私は安心していた。


卓斗が私から離れ行く事はないんだって。





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