嘘つき、でも騙されてあげる

｢あの監督お願いがあります。｣



監督が優しい顔で見つめる。



｢私監督のマンションに一緒に住んでは駄目ですか？｣



監督は飲んでいたビールを吹き出した。



｢夢花本気なのか？｣



｢私何もかもが不安で、出来れば監督のそばにいたい。



監督の事がパパとはまだ思えないけど、



なんか一緒にいたいような感じ。



駄目かな？｣




｢駄目な訳はないよ。僕はうれしいよ。



夢花と一緒だなんて夢みたいだ。｣



なんだか卓斗の視線が怖い。



監督が、｢卓斗嫉妬するなよ。夢花と俺は親子なんだからさ。｣



卓斗が拗ねている。



卓斗どうしたの？



何怒ってるの？