嘘つき、でも騙されてあげる
私は部屋の中を行ったり来たり。



出るのはため息。



せっかくここまで頑張って来たのに。



悔しいよぉ。



涙が出てきた。



部屋のドアをノックする音。



『夢花入っていい?』



えっ。卓斗なの?



私は部屋のドアを開けた。


そこに立っていたのはやっぱり卓斗だった。



「卓斗どうしたの?こんな時間に。」



卓斗が呆れた顔をした。



『何回も携帯に電話したのに出ないから、心配で来てみた。』



ごめん電源を切ったままだった。



私が台本を持っていたのを見て、



『夢花明日のキスシーン楽しみだな。』



「・・・・・・・・」



何も言えない私。



さすが慣れていらっしゃる卓斗君。





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