嘘つき、でも騙されてあげる
その後雅彦さんは又別の人と会うらしく、



私を野中さんに頼み帰ってしまった。



野中さんと二人切りなんてどうしょう。



私が困っていると野中さんが、『場所を変えようか?

夢花さんに話があるんだ。』



私は頷いた。



野中さんが連れて来てくれたお店は、



とても落ち着いた感じの喫茶店だった。



『ここは僕のお気に入りのお店。息詰まって書けない時、


いつもここに来て色んな人を見ている。


そうするとなんか見えてくるんだ。』



「素敵ですね。」



野中さんと目が合い二人で微笑んだ。



『須藤監督に君の写真見せてもらった時、ドキッとしたんだ。


多分君に一目惚れ。


27にもなる僕がだよ。笑っちゃうでしょ。


だからどうしても会いたくて、監督にお願いをした。

驚かせてごめんね。』



あまりの驚きに声も出ない。




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