嘘つき、でも騙されてあげる
気がついた時恥ずかしくて彼の胸に顔を埋めていた。


「ごめんなさい私どうかしてた。


大人の秀輝に酔ってしまったみたい。」



『謝らないで、僕は嬉しいんだから。


もう夢花を忘れてる事なんて出来ない。』



私たちは暫く肩を寄せ合っていた。



私がオレンジジュースを飲もうと手を伸ばすと、



彼が私の手を握った。



『愛してる夢花。』



私は何をしているのだろう。



卓斗が好きなのに、この手を離す事が出来ない。



私は彼を好きになったの?


自分でも分からなかった。


彼のキスが忘れられない。


もう一度してほしくて、「秀輝!」って呼んでみた。


彼に私の気持ちが分かったみたいで、



『夢花愛してる。君がほしい。』



秀輝が私の唇を塞いだ。





< 257 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop