嘘つき、でも騙されてあげる
中学生の頃の二人の写真。


まだ幼さが残り可愛らしい二人。



あの日修学旅行に東京へ行かなければ、私たちは離れ場馴れにならなかった。



15才の私たちがあんなにも辛い思いをして離れた。



今思い出しただけでも胸が痛む。



「八年は長かったのかな?」


私の言葉に、『ああ多分なだけど、俺は決して無駄な八年とは思いたくはないよ。


俺も夢花もこの八年があるから今があるんだよ。


楽しい事ばかりじゃなかったけど、


俺はかなり成長出来たから。』



卓斗の顔が逞しい。



もう少年の顔ではなかった。





< 346 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop