嘘つき、でも騙されてあげる
卓斗がごめん。と言って私を抱き締める。



会議室の中が静まりかえる。



監督が、「夢花やっぱ君は僕が思った通りの子だ。


始めてにしてはかなり良かったよ。


これなら大丈夫だ夢花。」


監督さっきからもう呼び捨てだし、



このまま監督に押し切られそうだよ。



私が苦笑いすると、卓斗が切なそうな顔をした。



「夢花嫌なら断っていいから、この映画がなくなっても大したことじゃないからさ。」



分かってるよ。卓斗はそう言ってくれると思ったから。



「違うの。嫌だったのに台本のセリフを読んだら、


なんか自分の中に違う感情が起きた。


セリフ言った時体が熱くなって、


気持ち良かったの。」



可笑しいよね私。





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