CHERRY
────キーンコーンカーンコーン……
授業の終了を告げるベルが鳴る。
私の席は窓側から2列目の1番後ろというベストポジションで今日みたいに天気の良い日は日だまりが心地よい。
どちらかというと、席が廊下側の天音と穂乃花と離れていることは残念だけれど、その気持ちを塗り替えてしまうくらいこの席が好きな理由がある。
「木野、また寝てたでしょ?」
私がジト目で木野を見ると、まだ眠たそうな木野の瞳がこちらを向く。
それだけで、胸が高鳴る私はおかしいのかも。
「あー、うん。昼飯食った後の授業ってなんだかめっちゃ眠くなるんだよなあ。」
何でだろうな?て言いながら目をこすっている木野は悪びれた様子が全く見られない。
「そう言うけど、午前中も寝てることあるじゃん。」
私がそうツッコむとそうかも。と言いながらあははと笑う。