CHERRY
屈託のない木野の笑顔を見ると、好きという気持ちだけでは抑えられなくなりそう。
木野に触れたい……、
そんな衝動に駆られながらも、木野となんの弊害もなく話せるのは席が隣だからということを思い出す。
私のクラスの担任はあまり席替えを好まないので、未だに1回しか席替えをしていない。
その所為で周りの生徒たちからはブーイングが起こることもあるが、私にとっては好都合だ。
隣の席だから弊害なく話せるということは、裏を返せば隣の席でなければ弊害があり話しづらいということだからだ。
先生、どうか生徒に何を言われても、席替えしないで下さい。
そっと、祈った。