CHERRY





けれど、理性と本能とは別物で私は木野を見るたび、話すたびに、木野に触れたくてたまらなくなっていた。



────そんな、ある日の放課後。



穂乃花が掃除当番なので、教室で待っていると木野と穂乃花が楽しそうに話している場面を見てしまった。


……ドクン。


この気持ちは何だろう。

なんだか、嫌だ。


そう思った私は、気がついたら2人の間に割り込んでしまっていた。


……私、最低。



穂乃花は、そんな私を気遣ったのか廊下の方を掃除してくるねと言って教室を出て行った。



「……どうした、二谷?」



突然、話し相手が変わったことに驚いているのか不思議そうに私を見つめる木野。


あーほんと何やってるんだろう、私……。


「あ、割り込んじゃってごめん。なんか、楽しそうだったから気になっちゃってさ。」


その結果、穂乃花に気を遣わせてしまったのだけれども。




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