CHERRY





─────そして、今に至る。



「しかし、あかねも好きだねー。」



抹茶ミルクの入ったパックジュース片手に友達の帯広天乃が私を見やる。

その視線は呆れたものを見つめるよう。



「けど、かっこいいもんね!見とれるのは良く分かるよ!」



そう言ってニッコリ笑うのは浅井穂乃花、こちらも私の友達だ。



「え、何のこと?」


「とぼけなくても……、また見てたでしょ。木崎結斗を」


「………え」



天乃に言われて、我に帰る。
私、見てた?
全然、意識してなかった……。


顔がかあっと熱くなる。



私の様子を見て、穂乃花が花が咲いたように笑った。



< 7 / 66 >

この作品をシェア

pagetop