CHERRY
─────そして、今に至る。
「しかし、あかねも好きだねー。」
抹茶ミルクの入ったパックジュース片手に友達の帯広天乃が私を見やる。
その視線は呆れたものを見つめるよう。
「けど、かっこいいもんね!見とれるのは良く分かるよ!」
そう言ってニッコリ笑うのは浅井穂乃花、こちらも私の友達だ。
「え、何のこと?」
「とぼけなくても……、また見てたでしょ。木崎結斗を」
「………え」
天乃に言われて、我に帰る。
私、見てた?
全然、意識してなかった……。
顔がかあっと熱くなる。
私の様子を見て、穂乃花が花が咲いたように笑った。