CHERRY





「あかね、可愛いー!恋する女の子はほんとに可愛いよねえー。」


そう言って、ぎゅーと私に抱きつく。

いやいや、穂乃花の方が可愛いから!


そう思いつつ、私は穂乃花を受け入れて、抱きつき返す。
そんな新しいクラスにもだいぶ慣れてきた6月のとある昼休み。


そして、私たちを見慣れたように少し笑う天乃は私たちのやり取りを見ながらおもむろに口を開いた。



「それを言うなら、穂乃花だってあてはまるんじゃない?」


「……ん?」


天乃の言っていることを理解していない様子の穂乃花は私に巻き付かせた腕を少し緩めて、天乃を見る。

天乃は少し意地悪な顔をして、



「恋する女の子は可愛いんでしょ?」



と言って、パックジュースのストローに口をつけた。


「………あっ」



みるみるうちに、穂乃花の顔が赤く染まる。


そんな穂乃花を見て、私も天乃の言いたいことを理解した。



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