Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
秋空
『男子にこだわる必要ないんじゃないの?』



蒼の余計な一言で応援団長にされ、体育祭を迎えた。



昨年までは陸上競技の選考会も兼ねていたけど、今年はクラス単位で1・2年生とチームを組んで得点を競い合う。



玉入れのようにコントロールを要求される競技以外では、引っ張りダコな私。



何せ、逃げ足は速いけど、ノーコンだから…。



あまり応援席にいることはないけど、午前の終わりの方は応援席で競技を見ることができた。



午前のラスト競技は、教職員による障害物+借り物競走。



これもチームの得点になるんだから、頑張ってもらわないとね。



蒼は午後のリレーに出るから、比較的若い1年の副担任が出るだろうと思ってた。



なのに、スタートラインについたのは坂下。



競技の実況をする放送部には



『青組は、この競技の得点を放棄したようです。』



とまで言われた。



青組っていうのはウチのチーム名、ウチの副担の名前をそのまんま使おうってことで決まった。



よりによって、蒼っていうのが気に入らないけどね…。



競技は、何で坂下?っていう視線の中、ピストルが鳴った。



坂下は他の若い先生同様、障害物を難なくクリアしていく。



うわぁ、マジでカッコイイよ!



坂下って、ホントに40代なのか?



借り物が書いてあるクジを2番目に引くと、坂下はよそのチームの応援席に向かった。



貸し渋られるのがオチだと、思うんだけどなぁ…。



程なく坂下は、周りの妨害を振り切って1人の女子生徒を肩に担ぐと、ゴールに向かった。









 

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