Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
応援合戦が始まる直前に、上着を着る。



坂下が羽織らせてくれたタオルを取ると、周囲の男子がどよめいた。



「うわぁー、色っぺ~。」



そういうことは、小声で言ってよね…。



私に向けられるイヤラシイ視線が嫌だから、すぐに学ランを着た。



「あーぁ…。」



男子の残念そうな声と共に、聞こえたのは



「きゃあぁーっ!」



という女子の黄色い声。



最初にため息をついていた男子も、どよめきだした。



白い学ランに、蒼龍の刺繍。



私も気に入っているから、このどよめきは気分がいい。



ひときわ長いハチマキを締めながら、ふと考える。



もし、坂下のタオルを借りなかったら…。



あのイヤラシイ視線にしばらくの間、耐えなきゃいけなかっただろう。



坂下が、私を守ってくれたんだ。



『青組、応援合戦始め。』



放送部のアナウンスが流れた。



応援合戦の審査席の後ろには、坂下がカメラ片手に私たちが出てくるのを待っている。



あのファインダー越し、坂下の瞳に私の姿がカッコ良く映っているといいな…。



他のチームは私が団長だと知って、やられた!という表情をしていた。



応援合戦は、満足のいくものだった。



退場の際に坂下の方を見ると、目が合った。



坂下は右手の親指を立てて、微笑んでくれた。












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