Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
ランチから戻るときに、客として中に入ろうということになった。



坂下や蒼を驚かせるために、企んでみた。



中に入ると真っ暗で、ドラキュラを照らす青いライトさえも消えていた。



あれ?って思った瞬間、いきなり背後から口を塞がれた。



口に当てられたハンカチから漂ってくる香りは、紛れもなく坂下のもの。



だけど、この腕は違う。



暗幕の奥に引きずり込まれていくので、必死になって抵抗する。



「頼むから、騒がないでくれないか?」



耳元で、蒼の声がした。



抵抗をやめると、蒼は腕を放してくれた。



全く、何てことするのよ!



暗幕の向こう側は、さっきまで私がいた場所。



暗闇に目が慣れてきたせいか、梨香と…彼女の口をハンカチで塞ぐ坂下の姿が見えた。



坂下は、梨香をマントで包む。



昨日、私に対してしたのと同じように…。



ショックで、私の目から涙がこぼれた。



例え、梨香でも許さないんだからっ!



2人の前に飛び出そうとする私を、蒼が止めた。



何考えてるの?



自分の彼女が他の男にあんなことされて、黙って見てる気!?



梨香が、坂下に抱きついた。



「先生…。」



なんて、甘ったるい声を出す。



口に当てられたハンカチは、おそらく蒼のものだったのだろう。



怒りを通り越して、呆れかえった。



何で騙されるのかな、このコは…。







 
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