Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
坂下が生徒を見捨てるような奴じゃないってことは、よく知ってる。



分かってるからこそ、辞めたいなんて言い出した理由を知りたいと思った。



私たちが校長室から出て行ったのと入れ違いに、坂下と蒼が中に入っていった。



「先生、担任続けてよ…。」



私は、坂下の右袖を掴みながら言った。



坂下は力なく微笑むと、私の手を左手で優しく解いた。



教室で、坂下が戻るのを待った。



坂下が自分から担任を降りたいと言ったのがショックだったらしく、みんな黙ったままだ。



数十分経っただろうか、坂下と蒼が教室に入ってきた。



坂下は教壇に立ち、教室を見回すと頭を下げた。



「この度は、皆さんにご心配をおかけして申し訳ありません。

皆さんの要望どおり、担任を続けさせていただきます。」



その言葉に、みんなが喜んだ。



「ですが、休職することに変わりはありませんので、受験を控えた大事な時期に不在となることをお詫びいたします。」



そういえば、休職って…何で?



「何で、休むの?」



クラスの誰かが、私の思ったことを代弁してくれた。



「しばらく、入院することになりました。」



坂下、病気なの?



このところ姿が見えなかったのも、顔色が良くないのも…病気のせい?



坂下の休職理由に、納得したみんなは



「早く良くなってね。」



「お見舞い、行くからな。」



って、坂下に声をかけていた。










 
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