Angelic Heart 【教師×生徒の恋バナ第二弾】
秘密
12月半ば、病室へ向かうと先客がいた。



白衣を着たハゲのオッサン…ってことは、ココの院長かな?



この前、看護師たちが院長のことをハゲって言ってたし…。



病気の話をしてるのなら、入っていったらマズイよね?



離れようとした矢先、院長らしき人の声が聞こえた。



「助けてやれなくて、済まない…。」



今、何て言ったの?



いけないと分かっているけど、私は部屋の中の話し声に耳を傾けた。



「院長が謝ることではありません。

自分の身体のことなのに、気付くのが遅すぎた…。

それだけのことです。」



これって…、私の脳裏に以前聞いた言葉が浮かんだ。



『でも、長くないんでしょ?』



看護師たちの言葉は、入院期間を指すものじゃなかった。



『長くて、3ヶ月と聞いています。』



坂下が入院する前に言った、あの期間は…。



余命3ヶ月。



私はドアの前に座り込み、声を殺して涙を流した。



入院前よりも顔色は良さそうなのに、信じられなかった。



大好きな坂下が、春が来てしまえばいなくなってしまう。



耳を塞ぎたくなるような現実を突きつけられ、私はどうしたら…。









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